IT関連の仕事は若者に人気だ。ITとは Information Technology との英語だが、要するにデジタルツールを使った情報処理の技術のこと。これは膨大な技術領域を内在しているから、技術習得分野と求められる仕事とがスレ違う可能性が多い。昔も今も高卒で専門技術を持っていなくても、入社後見よう見真似で技術習得できる職場はある。ITビジネス分野でそんなプロセスで仕事を習得する手はないかと考えたら、ロボットマニュプレータ(以後ロボット)扱う仕事がそれに近い。 ロボットを操作する体験を通じてものづくりIT技術へのステップを紹介したい。
ITのどこを仕事対象とするかは判断が難しい
ITに精通してると主張しても、半導体の配線技術なのかアニメの画像ソフトなのかによって受け入れ企業の対応は大きく違う。自己の専門技術の棚卸と相手の求める専門分野の照合が大切なのである。世間にはIT関連とうたった専門学校や民間資格を与える教習学校が沢山存在するが、そこを卒業し修得した知識・技能がIT業界で働く知的財産として充分かといえば、屡々不十分でしばらくは下働きが必要となる。
本来は数学、物理、論理学等の基礎学習に取り組んで欲しいが、時間が掛かる。これらの研修は大学教育の相当だが、卒業して直ぐにIT業界に通用するものではない。ビジネスの現場での体験・経験の積み上げが求められる。
中小もの造り企業の不思議。
当方はもの造り企業を支援するコンサルタント業を営んでいるが、従業員10~20人のいわゆる小企業で、あれ!と思う光景に遭遇する。社長に先立たれ、会計帳簿の手伝いぐらいしかしていなかった奥さんが社長を引き継ぎ、後継ぎのはずの息子は戻ってきてくれないし、当然ながら学卒の社員など居ない。でも、元気に部品加工をてきぱきやっている。そして、感心するのがロボット(工場ではロボットマニピュレータとは呼ばない)が部品溶接を無人でやっているし、それを管理しているのは高校を出たばかりのお兄ちゃんである。
IT世界へ踏み込むのはロボットから!
社長曰く、溶接の技術を持つ社員が高齢で引退する。後継者を探すけど誰もきてくれない。役所に相談にいったら、補助金があるからロボットを導入したらと言うので、なけなしのお金をはたいて買ってしまった。ところが「ロボットを扱う社員がいない」、困って近所で就職できずブラブラしている高卒の子にロボット使ってと声かけたら入社してくれた。勿論彼もロボットのロの字も知らない。そこでロボットの取り扱い研修センターへ行かせ短期間講習受けさせたら、わが社のロボットのプログラミングもあっという間に習得し、溶接のアプリも開発し、お客とも交渉できるようになったと言う。転職する気配もないし、ロボットが若い彼を引き付けているし、IT技術も体験経験でさっさと修得し楽しそうにやってくれてる。ロボットを任せると言えば若い子は直ぐ来てくれるよと社長は言っている!
ITビジネスへの道はロボットから、ioTにも通ずる
ロボットの動作させるには動作の指示を通じて行う必要があるが、その指示内容(プログラミング)の良し悪しがロボットの作業の良し悪しに現れ、目で見て評価できる。それもあって、若い人達は楽々と技能を習得してしまうようだ。又、今のロボットはLAN機能があるからioTに繋がる。更に溶接作業ともなると溶接条件を微妙にアジャストする必要があるが、溶接機とロボットの作動アプリの技術内容を体験・経験から修得できる。上の中小企業例は、ロボットを通じて高卒若手新入社員が取り組んだITビジネス分野を開拓する一つのプロセス例である。
職を探す若者はロボット取り扱い業務を求め、ITエンジニアへ
若い正社員を求める中小企業でロボットを使っているか、これから導入しようとしている企業を転職先として目指し、ITエンジニアへの第一歩を踏み出すことをお勧めする。下記の「リタリコ」職場捜しをスタートすることも一つの道です。ロボット操作技術研修は公的助成も手厚いですし、研修施設も充実してます。メーカもサービスとしてやっています。 そのような事前の研修など準備を手配してくれることを条件に仕事先の探索依頼すべきだし、現在はそれが定石です。
あとがき
新規就職も再就職においても新たな仕事には必ず新技能・技術・知識が必要です。それらの事前習得を行って置く方が新業務を速やかにこなせ、心の負担も少なくなります。その習得に公的支援が多々ありますし、リタリコさんのような仲介業者も支援してくれます。自分ひとりで処理しようとせず、周囲の支援を取り込むことを願っています。