夏の次には秋、冬と寒さが近づくと、身体の冷えが気になる季節がやってきます。昔から「身体を冷やすな」、「お腹を冷やすな」と言われてきたように、現代でも「冷え」を万病の元という認識が定着しています。 例えば、イギリスの法律では室温を18℃以上保持できない部屋の賃貸を禁止しているほど、寒さ対策が重要視されています。しかし、「冷え」は気温が低い時だけでなく。エアコンの効いた室内など、気温が高い時でも発生する事を忘れてはいけません。 以下では、「冷え」を改善するための体質改善法から、今すぐできる効果的な保温対策まで、丁寧に解説します。
Ⅰ. 身体の「冷え」とは？その原因と健康へのリスク
「冷えの定義；身体の熱が不足・伝達しない状態
「冷え」とは、身体の中心部の熱が末端まで回らず、手足がつめたく感じる状態です。人間の平熱とされる36.5℃が維持できないのは、体内の熱源が不足しているか、熱が全身に運ばれていない状態にあることになります。 西洋医学では、古くは「冷え」を身体の異常とは捉えていませんでしたが、今は肥満、免疫力低下、そしてガン予防においても体温の低下を防ぎ、適正な体温を維持することが健康管理の基本とされています。特に体温が３５℃レベルの方は、熱の補級を真剣に考える必要があります。
冷えの原因は３つ；熱の生産不足、
① 熱の運搬不足 基礎となるエネルギーの６～７割は基礎代謝が生んでいます。 その熱源の多くは筋肉です。飲食を減らし、運動不足で筋肉を減らせば、慢性的熱不足となり「冷え」に繋がります。 ② 熱の運搬不良 自律神経のバランスが乱れると血管が収縮し、血流の流れが滞ります。熱は血液によって全身に運ばれるため、血液の流れが熱が身体全体に分配されず部分的な「冷え」を生じます。エアコンの部屋を出たり入ったりも同じ現象を生みます。食べ過ぎにより血液が胃腸に集中も原因となります。 ③ 熱の過剰な放散（水分の過多） 水分過多も身体を冷やしてしまいます。水分摂取は大切ですが、摂取相当分の排出も肝要です。
Ⅱ 冷え性を身体の内側から治す根本対策
冷えを根本から治すためには、「熱を作り、運び、逃がさない」体質を作ることが重要です。
基礎代謝を上げる！熱源となる筋肉を増やす方法
体内で最も熱を生み出す筋肉を鍛えましょう。 ① 先ずは下半身の筋トレを習慣化。 筋肉の約７割が下半身に集中しています。スクワットなどの筋力トレーニングや、ウオーキング、ジョギングを習慣化し、血流を促し熱生産を高めましょう。 ➁筋肉の動きで血流改善を 筋肉はポンプの役割を果たしていることを自覚することです。
食事を見直す！身体を温める飲食物と避けるべきもの
日々の食生活も体温に大きな影響を与えます。 ①毎朝「白湯（さゆ）」を飲む 人は睡眠によりコップ一杯ぐらいの汗をかき、身体を冷やしています。起床直後に白湯を飲むことで、失われた水分補給と胃腸から穏やかに身体を温め、冷えの解消に繋げます。 ➁間食にはタンパク質・ナッツ類を タンパク質や良質な脂質を含むカシューナッツ、アーモンド、くるみ、ヘーゼルナッツ等がお勧めです。タンパク質は食事誘発熱発生性（食べた後に熱を作る）が高く。身体を温めます。 ③菓子類と白砂糖を避ける 菓子類は血糖値を上げて代謝を下げることがあります。白砂糖は身体を冷やす作用があるので、冷え性の過多は極力避けるようにしてください。
自律神経を鍛える入浴法で血流を改善
シャワーで済ませず、湯舟につかる習慣をつけましょう。 ①湯舟に浸かって血液を循環 湯舟で温められた血液は体内で膨張し、循環圧が高まることで熱を全身に効率よく運んでくれます。 ➁リラックス効果で自律神経を整える 湯舟に浸かると副交感神経が優位に働き、リラックス効果を生むでしょう。自律神経の乱れは血流滞留の原因となるため、入浴は冷え性対策に非常に有効です。
Ⅲ 冷えから身体を守る「適材適所」の保温法、即効対策
身体の特定の部位を適切に保温することは、全身の冷えを防ぐ即効対策です。
最重要ポイント；首回りを冷やさないための対策
首回りは、脳へ向かう血液が通り、体温維持に重要な部分です。 ①首の冷えは体温低下に直結 脳は酸素消費量が多いため、首を通り脳を循環した血液が冷やされると、心臓に戻る血液の温度も下がり結果的に身体全体の温度低下につながります。 ➁スカーフやマフラーで保護 寒い冬だけでなく、エアコンの冷風が当たる場所での首回りの保護が重要です。室内で外さなくて良いことが多いスカーフがお勧めです。肌にフィットするシルク製が効果的でしょう。もう一つ、睡眠中の首筋の冷えがありますが、これも対策は同じです。
見落としがちな下半身（太もも・関節）の冷えの対策
下半身の冷えは、全身の血液循環を阻害しがちです。 ①太ももの保温は腰の冷え予防に 下半身の体温は、体幹より低い傾向があります。太ももの冷え過ぎは腰全体の冷えに繋がるため、太もも用のサポーターなどで保温することが効果的です。 ➁関節の冷えは血管を収縮させる 足首、膝。肩、肘などの関節付近は血管が密集して通っています。この部分が冷えると血管が収縮し、全身の血流に悪影響を及ぼします。寒い冬だけでなく、夏の冷房対策としても遠赤外線サポーターなどで関節を保護しましょう。
Ⅳ 冷え対策にお勧めのグッズ・アイテム紹介
冷え性改善をサポートするアイテムをいくつかご紹介します。
Ⅴ まとめあとがき
「冷え」は体質生活習慣の積み重ねによって生じます。日々の筋トレや入浴、食事、そして保温グッズの活用など。いまからできる対策を続けることで、体温を適正に保ち、健康な身体を手に入れましょう。 シャワーヘッドも加温に一役を担っていることを追加します。マイクロバブルシャワーというのがあります。細かい水滴が肌の隅々まで侵入し、洗浄レベルが向上するといわれ、人気です。肌の脂っぽいものも良く除去するので、シャワーの温度が身体に伝達し易くなり、「温め」効果もあります。お試しください。
